菌とウイルスの違いは?意外と知らないふだん口にしている食べ物にも・・・

体の中に入り込むと病気や炎症を引き起こしたり、ジメジメした場所にカビを生やす原因で、これまで菌とカビは大きさの違いだけで同じ物と思っていました。

私達の生活に関わりの多い菌とウイルスの違いを紹介します。

菌とウイルスの違いはどこ?

細菌(菌)とウイルスの違いは大きさだけではありませんでした!

  細菌 ウイルス
大きさ 1~5μm(マイクロメートル) 20~300μm
分類 生物 非生物
増殖方法 単体で増殖可能 宿主(他の生物など)に付着して増殖

大きさは細菌の方が多く、1~5μm(マイクロメートル)、ウイルスの大きさは20~300μm位の大きさをしています。

「μm」とは聞きなれない単位ですが、1μmは1mmの100万分の1の大きさです。

両者の大きさの差も分かりにくい所ですが、ウイルスの大きさは細菌の1/10~1/200位の大きさで、細菌ならば顕微鏡で見れますが、ウイルスだと電子顕微鏡など特殊な顕微鏡でなければ見る事が出来ない大きさです。

細菌やウイルスが、あっという間に増殖して行く様子をTVなどでみて、その動きから「生き物みたい!」と感想を持ったのですが、分類で比べると細菌は細胞や細胞壁を持つ生物なのに対し、ウイルスは遺伝子を持ちますが細胞は持たないため生物には分類されていません。

両者とも、そのまま病気や症状を起こすために、どんどん増えていくと思われがちですが、増殖するための条件にも違いがあります!

細菌は付着した場所で単体で増殖しますが、ウイルスは単体では増殖できず、他の生物の細胞などに付着する必要があり、このウイルスのエネルギーとなる付着した細胞などの事を「宿主」と呼びます。

細菌とは?

菌はウイルスよりも大きいとはいえ、目には見えない大きさの菌達は色々な場所に存在しています。

そう、人間の体の中にもいるんです。

「え?菌が体内にたくさんいるの?」と、びっくりしましたが、しかし、すべての菌が悪者ではありません。

私達の体内にも「常在菌」として病原菌の侵入を防いだり、消化を助ける役割を持った菌がたくさん存在しています。

よく耳にするのが腸内にいる「ビフィズス菌」ではないでしょうか?

納豆やヨーグルトなどの発酵食品も菌の力を借りて作られており、私達の生活とは切っても切れない存在ですよね!

一説には「スプーン1杯の土には数十億の細菌がいる」といわれる位に自然界や土壌には菌が存在しています。

細菌が原因の感染症

人間にとってプラスの効果をもたらしてくれる細菌もあれば、感染症などを引き起こす、マイナスの影響が出る細菌も存在しています。

中耳炎や虫歯などの身近な病気の他にも、大腸菌が原因の食中毒O-157、土壌やはちみつに含まれ乳幼児が感染すると重症化し命を落とす事もあるボツリヌス菌、白癬菌が原因の水虫など様々な感染症を引き起こす可能性のある菌も存在しています。

寒くなる前のこの時期から手洗い・うがいでの予防を始めたいですね!

菌はこんな食べ物にも!

私達が日ごろよく口にしている食べ物にも「菌」由来のものがたくさんあります。

麹(こうじ) 日本酒・焼酎・味噌・醤油
乳酸菌 ヨーグルト・乳酸飲料・漬物
酵母菌 ビール・ワイン・パン

日本の調味料の欠かせない味噌・醤油に、日本酒などのお酒も「コウジカビ」という菌を米などの穀物に付着させ増殖させた「麹(こうじ)」を使って製造されています。

乳酸菌は生乳などに付着させて発酵させたヨーグルトは菌の力で作られた有名な食べ物の一つですね!

この他にも乳酸菌は塩辛やキムチなどの漬物の製造にも活躍していて、乳酸菌が他の菌などの繁殖を抑えるので長期保存にも向いています。

酵母菌は糖分をエタノール(アルコール分)に変える働きがあり、ビールやワインの醸造に欠かせない菌です。

私はパンを焼く事があるのですが、天然酵母菌はもちろん、イースト菌を使います。

この他にも納豆や鰹節、きのこの栽培などにも菌が使われています。

また、食べ物だけでなく体調をよくしてくれる薬品の原料としても活躍しています。

整腸剤 ビフィズス菌・ビール酵母菌
抗生物質 アオカビの一種

腸内の悪玉菌を防いで、腸内を整えてくれる整腸剤や、体内で感染した菌に作用する抗生物質のペニシリンは原料に菌を含んでいます。

菌で弱った体が、同じ菌で治療できるというのには驚きですよね!

ウイルスとは?

ウイルスは菌の様に「常在菌」として何かの何かの役に立つという形で活躍しているものは少ないです。

自然界にもウイルスは、たくさんいて粘膜などに付着する事でウイルスの宿主になってしまう物や、宿主に感染した状態で食中毒の原因となるウイルスの多く、貝や野生動物の肉の生食などウイルスに汚染され宿主になってしまっている食べ物から感染します。

また、感染している人が調理した料理や触った物が感染経路になる場合があり、治療も熱を下げたり、胃痛を抑えたりは出来ますが、ウイルス自体の治療はできず体がウイルスと戦って体内から出て行くのを待つしかありません。

自分がウイルスの宿主になる事もあれば、ウイルスを広げてしまう可能性もあるのは怖くなりますね!

人によっては、私同様に体力が落ちた時などに「口唇ヘルペス」が出る方も多いと思います。

このヘルペスも「ヘルペスウイルス」が原因で、体内に潜伏していて、現在のところ1度感染してしまうと完治はせず、症状を抑える事しか出来ず一生付き合っていく事になります。

ウイルスで起こる感染症は?

風邪や鼻炎を起こすピコルナウイルス、プール熱の名前で夏場の感染が多いアデノウイルス、冬になると様々なタイプが流行するインフルエンザウイルス、食中毒の代表的なウイルスであるノロなど、菌で起こる感染症より重症化するものが多いです。

また、体内に入り込んで増殖するものの他に結膜炎やウイルス性のイボなど粘膜や皮膚に症状を出すものもあります。

ワクチンはウイルスで出来ていた!

宿主となる細胞を見つけると、あっという間に増殖し不死化したりガン化してしまうこともある「厄介者」になりがちなウイルスですが、宿主として以外の人との関わりはあるのでしょうか?

ウイルスからは「ワクチン」が作られ、1番なじみのあるのは「インフルエンザワクチン」でインフルエンザが流行する季節前に接種しておく方も多いと思います。

そのワクチンはウイルスを素に作られた「薬」ではなく感染性をなくしたり、毒性を弱めたウイルスそのものなんです!

インフルエンザのワクチンは、ウイルスそのままではなく、様々な検査に合格したものだけが「医療用」として出荷され、中でも日本の検査は世界的にも厳しいと言われています。

「ウイルス治療にウイルスを使うの?」と思ってしまうのですが、接種したウイルスが侵入してきたウイルスを退治しているのではなく、私達の体自体が退治しています。

ウイルスなどに感染すると体内で対抗するために「抗体」を作ります。

この力を利用して先に弱いウイルスを体内に入れる事で、後で侵入してきたウイルスを抗体が退治してくれる事を目的としているのがワクチンです。

ワクチンはウイルスの成分を持った治療薬ではなく、ウイルスそのものというのは驚きですね!

菌やウイルスとは別物?似ている物たち

菌やウイルスも「小さくて悪さをするもの」くらいの認識しかありませんでしたが、違う物である事が分かりました。

他にも区別のつきにくい物がありますが、菌やウイルスと同じなのでしょうか?

微生物 肉眼で見えない小さな生物
菌類 真核細胞を持つ生物
バクテリア 細菌の別名
PM2.5 2.5μm以下の微粒子

微生物は肉眼では確認できないほど小さな生物の総称のため、菌やウイルスも含まれます。

きのこやカビも含まれるのですが、目に見えてますよね?両方とも微細な物が集まっているため目で見えているからで、1つ1つの胞子は微細です。

菌類は細胞(真核細胞)を持ち細菌とは違う生物の総称で、美味しいきのこやビールやパン作りに欠かせない酵母が菌類に含まれます。

バクテリアは細菌の事で、別の物と思われがちですが、ラテン語での呼び名になります。

PM2.5は体内に入る(吸い込む)と呼吸器や循環器に悪影響を及ぼすと言われていますが、菌やウイルスではなく、大きさ2.5μm以下で細菌の大きさに匹敵する微粒な化学物質です。

まとめ

細菌もウイルスも私達の生活との関わりが深く、名前だけでなく、サイズや機能にも違いのある別物という事がわかりました。

目に見えない分不安な部分もありますが、これからの時期、流行してしまう細菌やウイルスを上手に予防して元気に過ごしたいですね!