台風・ハリケーン・サイクロンの違いは?違いを分けるたった1つの理由

日本の夏の風物詩といっても過言ではない台風。

この時期になると毎週の様に天気図のどこかに登場している気がします。

楽しみにしていたイベントにぶつからないかヒヤヒヤしながら天気を気にしてしまいます。

同じ様な天災で「ハリケーン」もありますがハリケーンの方が強そうなイメージがありますよね?

一体、「台風」と「ハリケーン」ではどんな違いがあるのでしょうか?

また、この2つに似ている「サイクロン」とは?

それぞれの違いについてまとめています。

台風とハリケーンの違いは?

この2つには共に「強い雨」と「強い風」をイメージさせますが、なぜか呼び方が違います。

ですが、台風とハリケーン自体の意味は、全く同じ物を指しています。

大きさや規模は違っても同じ「熱帯低気圧」に変わりありません。

じゃあ、なぜその呼び方が違うのかというと発生した地域の関係です。

どこで台風が発生したかによって呼び名が変わってきます。

台風発生の仕組み

熱帯地方で海水温度が上昇すると「水蒸気」が発生し、これが雲になり、周りの空気が渦を巻きます。

その時に発生するのが「熱帯低気圧」で、これが大きく発達し、最大風速(10分間の平均)が17.2m/s以上になった物が「台風」と呼ばれる様になります。

発生場所で異なる名前

先にも言いましたが、台風とハリケーンは同じ熱帯低気圧なのですが、発生した地域で呼び名が違います。

台風

台風は太平洋の北西部で発生した時に使われる名前です。

語源は漢字があてられているので日本語の様に思いますが、ギリシャ神話に登場する怪物の「デュポン(typhoon)」から来ています。

これを語源にした英単語「typhoon(タイフーン)」に漢字を当てたのが「台風」です。

ハリケーン

ハリケーンは大西洋北部・太平洋北東部・北中部で発生した時に使われる名前です。

こちらの語源はカリブ海の邪神「ウラカーン(huracan)」から来ています。

こうやってみると2つとも「大きくて強くて怖い」物を語源に持っている事が分かりますね。

ハリケーンが移動すると台風に変わる!?

まず起こる事はありませんが、大西洋北部で発生したハリケーンが太平洋北部へ進路を変え日本に来た場合、名前はどうなると思いますか?

「発生したのがハリケーンと呼ばれる地域だからハリケーン?」と思いますが、地域をまたぐ場合は、その地域の名前に変わるので「台風」と呼ぶのが正しいそうです。

つまり、発生した場所によって呼び方が違ってくるとともに、今現在、どの地域で発生しているかによって呼び方が変わってくるということですね。

こうしてみると台風とハリケーンはその中身は全く同じ物という事が分かりますね。

台風とは

名前は「typhoon(タイフーン)」に漢字を当てたのが「台風」なのですが、「typhoon(タイフーン)」は世界共通の規定がありますが、「台風」は日本独自の規定があるため、まったく同じ大きさや規模ではないそうです。

台風の規模は「hPa(ヘクトパスカル)」で表されています。

よくニュースで「中心気圧は○hPaです」とニュースなどで聞いた事がありますね。

これは低い方が勢力が大きいのですが、最近では、もっと分かりやすい様に「強さ」と「大きさ」の組み合わせも使われています。

台風の強さは台風の中心付近の「最大風速」により3つに分けられています。

  • 強い(33m/s~44m/s未満)
  • 非常に強い(44m/s~54m/s未満)
  • 猛烈に強い(54m/s以上)

一方で大きさは強風域(風速15m/s以上)により2つに分けられています。

  • 大型(500㎞以上~800㎞未満)
  • 超大型(800㎞以上)

事例で学ぶ台風の強さ

2017年の7月に沖縄の南で発生した台風3号で規模を見てみましょう。

出典:http://www.tenki.jp/bousai/typhoon/detail-1703.html

この3号は中心気圧が985hPa、最大風速30m/sだったので大きさでいうと「弱い台風」だった事になります。

「30m/sの速さの風なら強くなさそう」と思いますが、時速に換算すると100㎞以上の速さです。

「あれで弱い台風だったの?」と思ってしまう位の風と雨で被害もでています。

「弱い台風みたいだから大丈夫!」と勝手な判断で遊びに出掛けたり、海などに近づくと大きな事故になりかねませんね!

ハリケーンとは

近年で1番大きな被害をもたらしたハリケーンは、2005年にアメリカ南東部を襲った「カトリーナ」です。

過去最大級の被害で、当時の大統領だったブッシュ大統領がルイジアナ州のニューオリンズ市の市民48万人に避難命令を出し、最終的にはニューオリンズの8割が水没してしまう程の大きさでした。

そして、ハリケーンの強さは台風とは異なり5つの「カテゴリー」で決まります。

これは1分間の最大風速を元に算出された「シンプソン・スケール」で決まります。

カテゴリー3以上の物を大型ハリケーンと呼びます。

カトリーナは最大でカテゴリー5を記録した大型ハリケーンです。

サイクロンとの違い

台風とハリケーンの他にも「サイクロン」があります。

「サイクロン型掃除機」など他の所で名前を聞く機会が多い気がしますが、こちらも台風やハリケーンと同じ「熱帯低気圧」です。

こちらも発生した地域で名前が違うパターンです。

サイクロンの名前が付くのはインド洋北部・南部、太平洋南部で発生した場合です。

こちらはイギリス人の研究者が、ギリシャ語の「kyklon」を使って作った造語が元になっています。

台風とハリケーンに関する豆知識

意外に知られていない台風とハリケーンにまつまわる豆知識を紹介します。

台風のネーミング

台風ハリケーンには、それぞれには名前が付けられるのを知っていますか?

台風の名前は毎回新しく付けられるのではなく、あらかじめ「台風(タイフーン)」と呼ぶ地域の各国で一緒に決めた140の名前をローテーションさせて順番に使います。

たとえば先の事例で紹介した台風3号は「ナンマドル」と言い、太平洋のミクロネシアに位置する熱帯雨林気候の土地であるオセアニアが決めた名前です。

この台風3号ナンマドルの次の台風4号はフィリピンが名付けた「タラス」に決まり、140番まで使ったら一周してまた1番に戻ります。

この台風のネーミングには「マリア」や「サンサン」、「ニーダ」など女性の名前や花の名前も多く使われています。

140個の内、日本が決めた物は10個存在し、それぞれ「はと」や「こぐま」など星座の名前がついています。

なぜに平和の象徴である「はと」やかわいらしい「こぐま」なのか。

「どうしてコレに決めた?」と聞きたくなるネーミングな感じがしなくもないですね。

ハリケーンのネーミング

ハリケーンの名前は、あらかじめ用意されている男女の名前が20個並んだリストからの選択式で付けられています。

台風が決められた順番でネーミングされていくのに対し、ハリケーンは選択式なのでここも1つの違いになりますね。

1970年代までは女性の名前だけでしたが、現在では男性の名前もリストに入っています。

こちらも6年分のリストしかないため、6年毎に同じリスト内から名付けます。

「カトリーナ」も女性の名前ですよね。

台風の発生の時期

日本では「夏から初秋に発生する」というイメージが強いですが、海水の温度が上昇するなどの条件が揃えは1年中発生する可能性はあります。

観測史上、1番遅くに発生した台風は、1990年の11月の「台風28号・ペイジ」です。

時期が珍しいだけでなく、負傷者が10人以上出た非常に強い台風でした。

まとめ

私達には馴染みがなく、規模やや被害が大きいハリケーンやサイクロンも台風と同じ熱帯低気圧という事に驚きましたね!

ハリケーンよりは小さくて弱いというイメージを台風に持ちますが、かなりの被害をもたらす事もあるので、お出かけの予定と重なってしまった時は慎重に行動しましょう。